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「コロンビア墜落事故」40日後の奇跡 少林寺拳法の視点から見る

生き抜く力こそが本当の強さ

私たちは日本という「安心」そして「平和」な国に住んでいる。
創世記では開祖の戦後の悲惨な体験から、「生きることの大切さ」「いかに生きるか?」に共鳴した諸先生方に
よる爆発的な熱意をベースに今日があるということを改めて再認識させられた。少林寺拳法が説く本当の強さ。これがただ単純に学科試験のみの論理でなく、所属拳士皆が本当にいざという時にその行動を取れるのか?答えは限りなく「NO」であると思う。今回の生存できた兄弟達は13歳の子どものリーダーシップに他ならないが、平素からの生きるための知識が備わっていたこと。猛獣が襲ってこない匂いや、食べられるものかどうかの判断も日々の生活から養われているというのは戦後ならともかく、我々日本人には到底無理であると思う。しかし切り口は違えど、こういった危険は地震大国である我が国においては対岸の火事ではないと考える。

所属の拳士に伝えている最低限の絆

一宮中部道院では、自宅から修練場までの道のりを覚えることを入門時に行ってきている。
保護者の皆様にはできる限りわかりやすい道で道場まできて早めに覚えさせて欲しいということを心がけている。
これには、私が「3.11」の震災の際に東京に出張しており、高速道路の街灯が魚釣りの竿のように曲がり、お台場での火事を目の当たりとし、夜中まで鳴り響く余震での携帯アラート。一宮に帰ってからも大型車両からのちょっとした揺れに反応してしまう体になり、よく目が覚めてしまうこともしばらくはあった。
次に来ると言われている「東海地震」。これは3.11をも凌ぐものになるとも言われている。親と逸れたら歩いてでも「必ず道場に来い」と教えている。
私がいなかったら「死んだと思ってもらってもいい」。でもそこに集まった子達は「知恵」を絞り、一人の力では難しいことも皆でいれば湧いてくる「勇気」が必ずあると思う。私は技術を通してその部分を飽きるほど説明したと思うが、今回の「コロンビア墜落事故」を見て、未だ足らないことに猛省した。

3.11の時の情景を思い出し、今後付け加えて稽古したい点

公衆電話の使い方

3.11の時は携帯電話は全く使えなかったが、会社からの固定電話が私の携帯にかかったことは鮮明に覚えている。
子ども達に私の携帯電話の番号を含め、両親の電話も何も見ずに言えるように稽古させる。


デジタル機器のみの記憶媒体ではなく何某かの記録手段を

個人情報の記載は落としたら確かに怖いが、書き方によっては何か手段があるかもしれない。ここは課題とし、後日皆で話し合う機会を設け、備えていきたい。

地図の見方

携帯電話で「Google Map」など便利なものがたくさんあるのに実際その活用方法がわからないという子もいた。近日中に教えていくこととする。

総括

作年の全国中学生大会で最優秀を団体で頂戴し、且つ組演武で優秀賞を頂戴した。当然嬉しくないわけではなく、
本当に大切なことが見えてきたのではないかと思う。
金剛禅門信徒、そして少林寺拳法を学ぶ我々として、「本質」は一体どこにあるのかを見つめ直す時がきている気がしてなりません。
不謹慎かもしれませんが、これを機に門下生と話し合い、「いかに生きるか」を話してみたいと切に感じた。

出典元
https://www.tokyo-sports.co.jp/articles/-/266047

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コメント

    • 綾邊和彦
    • 2023.06.13

    いつも本当に”気づき”の多い北川先生のブログです!
    自然災害、病気、戦争、これらは人類の歴史と共にありました。
    私たちに出来る事は今までの歴史得た知識を後世に伝えていく事だな、と改めて思いました。😊🙏⁠

    そういえば以前、砂漠に置き去りになった時に
    北極星が見つけられたので帰れた事があったなあ。。。😅

      • 北川博康
      • 2023.06.13

      先生、まじっすか?私なら泣きですね。

      机上の倫理とならないように修練しないと…
      ちょっとやって出来る気になっている人が多い中で本当の自信を身につけて行きたいものです。

        • 和田ゆりあ
        • 2023.06.17

        最近は全部スマホに頼りっきりでメモ帳なども持ってるだけで使ってないことに気づきました。確かに何かあったときスマホが無くてもどうにかできるようにならなければ危ないかもしれません…🤔💭
        自分の生き方を見直すきっかけになりました、ありがとうございます!

          • 綾邊和彦
          • 2023.06.26

          和田ゆりあ様
          私もタブレットなどに頼り切りな所が出てきているので改めて気をつけなければと思います。
          ”身につける”ことの重要さ、古来の人々はよく知っていたなあと改めて思います。
          私もよりがんばってまいります!
          (^.^)🙏⁠

        • 綾邊和彦
        • 2023.06.26

        生きていく”智慧”こそが武道の源流かと思います。
        だからこそ総合武道に結局はなっていくのでしょうね。(^.^)
        護身だけではなく”護心”も含め考えていきたいと思います。
        いつもありがとうございます。

    • 竹山橙子
    • 2023.06.13

    もし、地震などが起きた時に今のままでは、1人で対処出来ないかもしれないのでちゃんと、対処を知り地図もしっかりと確認し、家族とはぐれたりしても1人で何とかなるように、生き残れるように頑張りたいです。

    • 鬼頭 由奈
    • 2023.06.14

    子供が4人も生きれている事が、とても感動です。
    いつも、先生が言う道場の道を覚えろと言っている
    先生の言葉が、凄く大切だと改めて実感してます。
    僕は、家族や友達と、離れ離れでこういった
    状況に陥っても、1人で生きてるよう、
    日々先生が、言ってくださる今自分ができる事
    を、僕は頑張りたいです。

    • その通りです。一人で生きることを考えちゃダメだよ・・・
      皆で手を取り合い、「生きていくのです」。それが本当の強さだよ・・・
      頑張れ!!

    • 和田ゆりあ
    • 2023.06.17

    和田ゆりあ :
    最近は全部スマホに頼りっきりでメモ帳なども持ってるだけで使ってないことに気づきました。確かに何かあったときスマホが無くてもどうにかできるようにならなければ危ないかもしれません…🤔💭
    自分の生き方を見直すきっかけになりました、ありがとうございます!

    間違えて返信に入れてしまいました、すみません…!🙇🏻

    • 藤本凪
    • 2023.07.17

    実は先生と道場の仲間とこの前公衆電話を使ってみたんです……。
    携帯で公衆電話を着信拒否している上に全く使い方が分かりませんでした…
    先生に話を聞き、これではダメだと思い使い方を母に聞きました!
    しっかりともしもの時のために色々な面で備えていきたいです…!!

      • 北川博康
      • 2023.07.18

      自分の身は自分で守る。これが護身の基本です。
      また自分の力ではどうにもできないことや犯罪に巻き込まれ、携帯電話が壊れた、奪われた、電池切れ時に
      お母さんの電話くらいはサラで言えて、対応できなければいけません。
      ちなみにお母さんは公衆電話拒否になってないよね・・・(笑)

    • 竹山桜子
    • 2023.07.18

    最近は、道がわからなかったら、携帯で調べることが多いけど、もし地震などで、携帯が使えなかったら、自分で携帯なしでいろいろなところへ行けるように、外へ多く出て、道を覚えていきたいです。

    • 北川博康
    • 2023.07.19

    桜子、ありがとう!
    それには経験が必要ですね・・・

    例えば車に乗って携帯をすぐに見て〜とか止めて、ぼんやりでも外を見ながら景色を見ながらとかを癖づけるとか?
    事前に携帯で地図を調べて、お母さんがどの道を通ってどう結ばれているのか?を勉強してみるとか・・・

    自分始動で間違ってても学んでみるのも経験です。