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一宮市中学生の自殺に見る教育現場でのいじめ問題と少林寺拳法の役割

主題のいたたまれない事件は未だに記憶に残っています。結局事実は分からずじまいなのか?一宮市自殺対策行動計画(案)というものがインターネット上にあったのだが何だか「キレイ事」に見えなくも無い。

深刻化する「いじめ」から自分を守るには?

学生時代に「不登校」を経験された方は、将来「ひきこもり」になる可能性が高くなります。文部科学省の「令和3年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」によると令和3年度、小中学校における不登校の児童生徒数は244,940人 に及ぶことが明らかになりました。その人数は9年連続で増加しています。いま「不登校」が増えているということは、大人の「ひきこもり」も増えるということです。そして「不登校」のきっかけのひとつが「いじめ」です。

いじめる側の特徴

「愛情をかけられて育った子供がいじめっ子になることはない」と私は考えています。
いじめっ子は、「自分は親に愛されている」「親に大切にされている」という実感がないので、その寂しさを紛らわせるため、 また、親に愛されている他の子に対する嫉妬心からいじめをしてしまう傾向があるのでは、と考えています。いじめっ子は「親に愛されている」「親に大切にされている」実感がありません。いじめっ子の親は人から大切にされることばかり考え、子供の意思や自由を尊重せず、自分の価値観を押し付け自分の承認欲求を満たしている、と考えられます。このようないびつな親子関係で育った子供は自尊心が低く、「抑圧」を受け続けたことから「神経質」となり、不安や恐怖、怒りを抑制できず、過剰な防衛本能から「攻撃性」が高くなると考えられます。
私は、道院(少林寺拳法では道場を修行の場という位置付けで道院と呼びます)に通っている子どもたちは、道着を着ている時は私の子どもであるということを指導理念の中で最も大切にしています。
道院に通わせようと考えている保護者の方々は「いじめられないように強く・・・」というイメージを受けることが多いのですが、逆に「いじめない子」にという意見はこれまで聞いたことが実はありません。
ここにも大きなヒントが隠されているような気がしてなりません。

いじめられやすい人の特徴

本人に落ち度はないのに、いじめのターゲットにされてしまうこともあります。しかし学校でも職場でもいじめられることが多いという人には、以下のような特徴があるのではないでしょうか。
・挨拶も含め円滑なコミュニケーションが取れない
・極端におとなしい、気が弱い、劣等感が強い
・自己主張が強い、空気が読めない
・服装が TPO にふさわしくない
・外見が友人と違う
別の言い方をすると周りから「浮いている」ということです。これらを個性と捉えるには日本のこれまでの教育も大きく関わっているように思えてなりません。

いじめにあった時の対策

いじめの認知件数が増えている今、黙って耐えるだけでは解決しません。他の人に助けを求めて真剣に対応してもらうためには、以下のことをお勧めします。
・いじめの詳細をメモする
・ボイスレコーダーで録音する
・警察に被害届を出す
・診断書をもらう(精神的なダメージを受けた場合は心療内科で)
また、家族に相談したり、自分の心を守るために学校や仕事を休んだりすることも検討しましょう。そして再びいじめで悩まないために、自己防衛の方法も必要と考えます。

いじめられない自分づくり

何かを始めるというのは勇気が必要です。ゆっくりでいいんです。自分が変われる場所=居場所を私は作っていきたいと考えます。学校は嫌いだし行きたく無いけど耐えられる。「道院には仲間がいるから」と考えてもらえるような環境づくりを最も大切にしています。私は医者でもカウンセラーでもありません。しかしこの一宮中部道院で少林寺拳法を指導する中で、大した事はできていないかもしれませんが、いじめは無いと言い切れます。
環境が変わると行動が変わり、行動が変わると意識が変わります。

少林寺拳法を学ぶメリット

【身体面】
・他のスポーツに比べ消費カロリーが大きい。
・護身術を学べる
・痛みを知ることにより他人に暴力を振るわなくなる
【精神面】
・二人一組で行う「組手主体」という教えに基づき、相手の子と「どうすればうまく技がかかるのか?」を話し合いながら協調性を育んでいくことを大切にしています。
・金剛禅の教え。「禅の教え」。他の武道と大きく異なるのは「教え」があり、毎回「法話」を実施しています。
・集中力が身につく
・できることを体験できる
・負けない自分を目指します。「勝たなくてもいい、負けなければ」

「仲間の多さ」が自分を支えます。

少林寺拳法は、1300からの道場が全国にあり、ここ愛知県は全国でも最も拳士数が多いです。大会などに積極的に参加することで「仲間」ができます。そして、それに出場していくには多少の困難な稽古にも耐えられる自分を形成していきます。

居場所はここにあります。変われる自分を信じて、仲間とともに自分を成長させましょう!
一宮中部道院には中学生にして、すでに少林寺拳法キャリア10年を迎えようとしている子もいます。
六年間の小学校生活や、三年間の中学生活よりも「永く仲間でいられる」道院運営を子どもたちと一緒に作りながら人数増加よりも減少しない方向性を大切にしています。
私には、この「いじめ問題」に対する貢献はこれくらいしかできないかもしれませんが、仲間は多い方が楽しいのではないかと常に考えています。

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コメント

    • 鬼頭 由奈
    • 2023.06.08

    いじめる側、いじめられる側、それぞれ
    理由が、あるかもだけど、どっちもあってはならない事だから。それで自殺をする子も沢山居るから
    今が、凄い怖いと感じます。僕は、仲間がいる分だけ、安心するし、楽しい場となります。
    あまり、こうゆう事が無いように…
    まずは自分が変わらないとなっと思わされました!

      • 北川博康
      • 2023.06.08

      由奈、コメント有難う!
      まさに私が目指している道院はそういった形です。そう感じていただけるだけで、私はめっちゃ嬉しいです。
      仲間とずっといるためには自分が成長していく。まさに本当の組手主体かと思います。
      頑張ろうね!応援しまています。

    • 藤本凪
    • 2023.06.08

    いじめる側にも理由があると思うけど、仮に親に愛情を注いでもらえていなくて寂しさを紛らわすためにしているなら、それは間違っていると思います。
    なぜなら、それは産んだ親の問題でありいじめられる側の問題じゃないからです。
    私には、いじめる側の気持ちもいじめられる側の気持ちも分かりませんが、きっと両者辛いと思います。
    これから、いじめをみかけたら優しく声をかけて話を聞こうと思っています

      • 北川博康
      • 2023.06.08

      凪、コメント有難う!
      凪らしい意見だね。確かにそうだよね!
      声をかけるかけ方、タイミングもきっと大切だと思うのでそのタイミングと話し方をみんなで研究しようぜ!

      逆にウチの門下生にそんなことがあったら速攻出動してしまいそうで(笑)
      でも暴力で解決するものでも無いので、大人にまかせていく範囲はあるが、相談相手を間違えると面倒なこともあるので学校でそんなことがあればいつでも声かけてください。

      無理は絶対ダメだよ!

    • 竹山桜子
    • 2023.06.08

    いじめはいじめる側、いじめられる側両方に理由があるかもしれないけど、いじめる側の自分の防衛のためのいじめは間違ってると思います。今後いじめをみたら、自分で声をかけることができなくても、周りの大人に声をかけていきたいと思いました。

      • 北川博康
      • 2023.06.08

      桜子
      コメント有難う!そんな光景があったらいくら少林寺拳法の技術に自信があっても無理は絶対しちゃダメだよ。
      「こんなことがあったよ」ということを道場で話してください。
      みんなで相談しながら、力になれる方法を考え、いざとなれば私が行きます。
      桜子の友達がそんな目に合うのなら相談に乗ります。

      いじめは技術がいくらあっても解決できる問題では無いのだから、無理はダメだよ・・・
      「助けて」って素直に言える環境と仲間なのでは無いかと思います。

    • 吉野 雅文 播磨南道院
    • 2023.06.08

    皆さんのコメントに感動しています。一宮中部道院の皆さんが日々家族のように過ごされているのが感じられます。播磨南もこのようなやりとりができる道院にしたいと思いました。感謝。合掌

      • 和田ゆりあ
      • 2023.06.08

      吉野先生だ!🙌🏻✨
      血は繋がってなくても本当に家族みたいに思ってます💭
      また機会があれば演武見て頂きたいです😌

      • 竹山桜子
      • 2023.06.08

      吉野先生だ!
      また大阪に行く機会があったら、演武見て頂きたいです!

      • 鬼頭 由奈
      • 2023.06.08

      吉野先生~!!✨️
      一宮中部といる時間が本当に家族の時間
      だと思ってます!
      また、遊びに来てくださーい!

      • 橙子
      • 2023.06.08

      吉野先生だ!!
      また今度、大阪に行ったら演武を見て頂きたいです!

      • 藤本凪
      • 2023.06.08

      吉野先生!!
      また道場遊びに来てください☺️
      私達も兵庫に行く時はお邪魔します!
      これからもご指導よろしくお願いします!!

    • 和田ゆりあ
    • 2023.06.08

    いじめを完全に無くすのはやっぱり難しいけど、自分の居場所があるのとないことでは気持ちが結構違うと思う…!
    居場所を作ってくれる一宮中部はほんとにいいぞ!!!!!!!!!!!!

    • ゆりあ、有難う!
      君たちのおかげで良くなっているんです。本当にいつも少林寺拳法をそして一宮中部の活動を理解してくれて有難う!

    • とうこ
    • 2023.06.08

    いじめる側といじめられる側の人達は、自分が変わるしか助ける方法は、ないと思うけど、私はそれの対策や、いじめを受け入れる環境作りなどを大切にしていきたいなと思いました。

    • 竹山とうこ
    • 2023.06.08

    いじめる側といじめられる側の人達は、自分が変わるしか助ける方法は、ないと思うけど、私はそれの対策や、いじめを受け入れる環境作りなどを大切にしていきたいなと思いました。

    • 清水康太郎
    • 2023.06.11

    いじめを完全に無くすのはどんな人であっても出来ないとは思うけど、自分の周りではいじめがなくなるようにこれからも努力していきたいと思う。これから先の時代に、少しでもいじめが原因で不登校になったり、自殺者がなくなるように、一宮中部道院を中心に頑張っていきたいと思います。

    • なぜウチの道場にはいじめがないと言い切れるのでしょうか?それは君たちが幼少の頃から皆で話し合った理想の境地に近づいているからなのではないでしょうか?
      どうやって道場の狭い中でもこれが出来ているのか?よく思い出して自分の周りからでも変えられる自信を身につけてください。

    • 太田歩武
    • 2023.06.11

    これからもいじめは続くと思いますが、いじめる側も、いじめられる側も、居場所が欲しかったら少林寺拳法を始めてみるのがいいです。
    特にここ一宮中部道院は人との距離感が近いのですぐに友達が出来ます。
    少林寺拳法は居場所も友達も作れる最高の場所です。

  1. あゆむ、ありがとう!
    そんな風に周りの子を導ける人を目指して頑張ってください。

    • 大原 琉愛
    • 2023.07.29

    いじめる側、いじめられる側、と聞くと、いじめる側がわるいだろ!となりますよね。
    確かに、なにかされたからと言っても、人を傷つけるのは、違いますよね。 ですが、なぜその人をいじめているのか、なぜその人なのか、
    すぐに怒らずに、そういった視線で考えて接してあげると良いと思いました。